- 2015.09.17
- 2024.09.20
今から20年程前に指圧専門学校に入学し、指圧という手技療法の習得を目指しました。
入学前は技術者だったので、身体を如何に有効に働かすか、理に適った身体の動き即ち合理的な身体操作はどのようなものであるべきかの研究を始めました。
理に適った身体の動きを解明するために、手技療法だけでなく身体を動かすあらゆる分野、種々のスポーツ、武道、舞踏、礼儀作法等を調べて、身体を動かすための共通な事象がないか検討を続けてきました。
研究を継続していった結果、徐々にではあるが共通要素らしきものが浮かび上がってきました。
各々の分野において、表現は異なっていても目的とする身体に要求される要素は、特定の共通な要素に集約されることが判明してきたのです。
それら共通の要素を詳細に検討し、正しいと思われる手順のもとに組み合わせを実行すると、それは、ある種の定まった姿勢ともいえるものとなりました。
これを、合理的な身体操作における共通の基本的な法則として「汎用ルール」と呼称し、それら組み合わされた姿勢を【プライマリーセット】と命名します。
そして、各々の分野における専門に習得のために必要な具体的な身体の使い方を「実技ルール」と呼称することにします。
それ故、身体を動かすための合理的な身体操作は、スポーツ、武道、舞踏等に関係なく、必ず身体操作に共通する基本である「汎用ルール」と、その分野毎に要求される独自の「実技ルール」の組み合わせで構成されることになります。
そして最も重要なポイントは、「汎用ルール」が「実技ルール」を規定するということにあります。
解りやすくいえば、基本である「汎用ルール」=【プライマリーセット】が正確に実施されていなければ、「実技ルール」をいくら努力して習得しようとしても、それは充分な成果を達成できないということです。
また、この身体を使う分野では「初心に帰れ」とか、「迷ったら基礎にもどれ」と言われることが多くあります。
それは、基礎つまり初歩の段階で学ぶ内容に、この「汎用ルール」の要素が所々にバラバラにではあるが、存在する場合が多いからと考えられます。
そうであれば、「汎用ルール」の内容即ち【プライマリーセット】を理解していれば、自らの練習あるいは実践での問題点についても、自らで考えそして自らで改善して行くことが可能となります。
身体操作が必要とされる分野において、【プライマリーセット】が如何に重要であるかを理解し、それの実践により自らの成果をあげることが期待できます。
合理的身体操作:汎用ルールと実技ルールの概念