- 2022.02.24
- 2022.02.24
先日の12月4日~5日の二日間で、人体科学会の第31回大会がオンラインZoomで開催されました。こちらに、24期 金子武良先生、私が症例報告を発表しました。
今年の人体科学会の第31回年次大会のテーマは、「「生ける自然」と祈りの実践」についてです。今大会の大会長は、東京女子医科大学で看護学部教授の守屋治代先生が務められました。人体科学会は、医師、看護師、教授、助産師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師など多岐に亘る職業の方が集い、毎年様々なテーマに沿って、人間の死生観や魂、気、科学では立証することの難しい分野について、広い世界観を共有しながら、他職種の方の発表を見聞できる、貴重な学会です。
今回、金子先生は「筋肉の硬直患者とソフト指圧」についての症例報告を発表なさいました。最初に、患者の横臥位の姿勢を治療室の敷きマットでする時、抱き枕と膝枕がある場合と無い場合の患者の筋肉の緊張の相違性について説明がありました。坐骨神経痛の患者などは、抱き枕を低くして、膝枕を外すことで、半伏臥位の姿勢を取ることで、指圧の効果が得られやすいことも講演されました。その後で、金子先生と元々お付き合いのあった患者さんがコロナウイルスに感染し、感染前と感染後の患者の身体の違いを発表し、施術での注意点や経過を詳細に発表して下さいました。それらの症例で共通して観察されたことは、皆自分の体の冷えや火照り、呼吸の浅さについて自覚が無いこと。施術後には、各関節の可動域が拡大されて、と同時に自らの身体の体温の向上や血流改善による皮膚色の変化、呼吸速度の変化などに自覚が出ることです。金子先生は、ソフト指圧を大切に施術なさいます。筋肉に負担のかからない刺激量に配慮しながらの施術や、体位が患者をリラックスさせて、自然治癒力を最大限に高めることを学びました。
そして、私は「コロナ禍における指圧師及びリンパ浮腫療法士が取り組む祈りの実践」についての症例報告を発表しました。私は2症例の高齢患者についての発表をしました。2症例で共通に観察されたことは、キリスト教の信者であり、長引くコロナ禍の影響により、運動不足や人々との交流が途絶えて、転倒や躓き、リウマチ様症状の悪化が見受けられたことです。私は、この患者らに対して、聖句の言葉を小さなメッセージカードに書き、それらを集めて色紙にしてプレゼントしました。毎日それを眺めながら、祈ることを薦めました。結果、全身へのソフト指圧とリンパドレナージだけを提供していた時よりも、色紙をプレゼントした後の方が、転倒や躓きが減り、リウマチ様症状も回復スピードを増して、改善しました。祈りの実践は、指圧師としても日々実践することを心がけておりますが、改めてこれらの症例患者を通じて、祈りの実践の重要性を学ぶことが出来ました。最後にある修道士患者からお預かりした、クリスマスに向けたメッセージを、朗読しました。2名の参加者から質疑応答があり、とても大きな反響があり、盛会に終わりました。今回の大会は、参加者数が、2日間合計して延べ人数で100名を超えました。このような機会を与えて下さった金子先生に心から感謝申し上げます。
49期 中盛 祐貴子
人体科学会の第31回大会に参加をして
56期卒業 清水智子
金子先生と中盛先生の発表をライブで拝見させて頂いた時、お二人が私の想像を絶するスケールの大きな大会でご発表をされているのだと衝撃を受けました。課題に関して指圧師として述べられる全ての内容を、全ての専門分野の方々に解る伝え方で、とても意欲と好感度に感銘を受けました。さすがお相手はお医者様や大学で専門を学ばれているという方々だけにレベルの高い質問が来たりして、「痛いところを突いてくるな」と思う場面もありましたが、冷静に指圧師として誠意ある対応の返答の仕方で、見ていて非常に勉強させられました。そしてまだまだ指圧師に課せられた課題はたくさんあることを知りましたし、私自身の学びの場になりました。感謝の気持ちで一杯です。大舞台、大変お疲れ様でした。
62期卒業 水越 玲蓮
・金子先生の講演をお聞きして:
指圧師自身の身体に「チカラやリキミ」を抜いて指圧し、筋肉線維を痛めない様に注意する。親指が滑る事により、筋肉の炎症が起こり、熱が出たのを血行が良くなった結果だと勘違いしないようにしたいと思いました。また、コロナ感染前の患者さんが、コロナ感染後に身体が非常に冷たくなったと言う経験談が大変印象に残りました。
・中盛先生の講演をお聞きして:
気持ちにより、自然治癒力に違いの出ることは知っていましたが、「祈り」によっても治癒力に差が出るというのを初めて知り、とても新鮮でした。