- 2017.12.01
- 2024.09.20
2017年11月17日の早朝、9時発コパ航空エクアドルの第二の都市グアヤキル行きの飛行機に乗るために朝の5時半起でパブロ先生の車で出発しました。パナマは朝起きの人が多く朝の6時でも車の往来が激しく、朝飯を沢山の国らしく日本と似ていて、夜も5時には暗くなり夕飯が6時、これなんかも日本に似ているようでした。
グアヤキルまで飛行機で2時間半、最終目的地に着いたのは、昼の11時でした。
日本のパスポートの効果もむなしく、出国官の異常なほどの質問攻めに耐えてやっと処女地に一歩踏み出しました。
主催者の太極拳の先生であるダニエル先生と奥様の歓迎お出迎えのセレモニーも早々にホテルに向かいました。
夕方6時から国立の芸術大学のホールを借りて自由参加による指圧とは何かをテーマにした説明会を用意しているということで、5時までホテルで休憩しました。ホテルといっても民宿なような宿泊施設でしたが、対岸に川が流れていて中々風情のあるホテルでした。
5時に迎えに来ていただき大学まで直行です。参加者は30人ぐらいでしたが、ほとんどの参加者が医療関係の人たちで、代替療法、手技療法の関心は、ここエクアドールでも高いようでした。日本指圧専門学校を昨年訪問した時、作製したDVD、そして初心者のための指圧の説明のDVDを流した後に頚部の治療の実演、そして頚部の自己指圧を教えるというインパクトのあるデモで、指圧がなぜ西洋医学全盛の国々で共有しているのかをテーマに説明をしました。
このデモと明日からの指圧講習に参加するためにベネズエラからバスで4日間も掛かって来るていただいたアレキサンダー先生に出会うことができました。先生は手技療法の学校を経営していて指圧の教室も持っているとのことでした。ベネズエラの現状を語りながら、病院で薬局で薬が十分に配給できない現状であるからこそ器具の必要としない指圧が役立っている、現に彼の学校の沢山の卒業生は、ボランティアで医療関係の機関で働いていると言っていました。たかが指圧されど指圧なのでした。このことはベネズエラの日本大使館の文化担当官にもお話ししたと言っていました。ペルーでは、盲目の指圧師がいるとも聞きましたし、南米の国々は、貧しいという印象が目立ち、指圧の必要性を疑問視する国際協力隊の幹部や日本企業の現地組などもいるようですが、指圧は手技だけの療法です。その分現地に入りこみ、なじむであろう要素がいっぱいあり、南米の一般的見識であるマッサージは裕福層が受ける医学の固定観念をはぎとる絶好のチャンスが今 感じ入った次第です。
大会は、この地の生まれで、ヨガの先生のラウラさん,気功のインストラクター、ダニエル先生ご夫妻の道場で行われました。参加者は、22人でしたがわざわざキトーから来ていただいたお医者さんを含めた4人、ベネズエラから手技療法の学校の経営者である、アレキサンダー先生、この地で生まれた中国人の鍼灸師、キューバ人のご夫妻、ブラジル人でカポイラの先生と誠に多彩なメンバーが集まりました。
ほとんどが、指圧には程遠いメンバーでしたが、合計4人のお医者さんが参加していただいたので、エクアドールに指圧普及の種まきに来たことの意味はありました。セミナーの内容は、スマートフォン症候群を主題にして派生する体の各部位の症状を呈して、そのパーツの指圧をレッスンするといった指圧を楽しみながら憶えてもらうことを重視してレッスンしました。もちろん4人のお医者さんにも、レベルを配慮した指圧講習を2日間計12時間行いました。
首都のキトーから来たという手技療法の学校を経営しているという女医さん曰く、キトーには3つの指圧学校があり,イタリア人とベルギー人が経営する学校で、すべてが増永先生の禅指圧系とのことでした。ここまで増永先生のファンタスマがはびこんでいるとは、まったく驚きの限りでした。浪越の指圧は、エクアドールにはまだ存在していないようで普及の価値がありそうな場所のようです。
南米人気質として基本の反復をただただ解いても、なぜと答えが返ってきそうです。その辺が、南米で浪越指圧を前に推し進めるネックになるだろうことは確かです。協力隊のシルバー制度がつかえれば
、普及が可能ですが、現地の人間を時間をかけて教育していく以外に方法はないかもしれません。
課題は残りましたが、本当に来てよかったの実感は100パーセント味わえました。2日間の講習も無事終了です。参加賞を授与。最後に参加者全員で集合写真を撮ってごくろうさんを心に言い聞かせました。
メキシコ、パナマ、エクアドールと駆け足のセミナーでした。久しぶりの南米セミナー、少々疲れはしましたが一期一会の旅として思いで深いものがたくさん残りそうな2017年11月の旅でした。
ヨーロッパ指圧浪越代表 小野田茂