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連載・特集 ヨーロッパ指圧浪越レポート(47):

イタリア サルディーニャ島カリャリの指圧講習会

  • 2024.06.05
  • 2024.09.20

塾指圧プラクター塾長 小野田茂

2024年5月25日26日、イタリアのサルディーニャ島の首都カリャリでの指圧講習会(テーマ 頚椎障害と腰痛症に適応する指圧療法)にメーンパレラーとして招待されました。

うちのスタッフ2人と、マドリッドから900キロメートル飛行時間1時間50分のフライト。イタリア半島西方、コルシカ島の南に位置するシシリア島に次ぐ2番目に大きいサルディーニャ島に行ってきました。

今回の開催団体は、ローマのポリドリ先生グループで浪越指圧を習ったシルビア先生、そして私の本部道場があるマドリッドに毎月、3年間の間、このカリャリから通い、日西指圧学院の卒業証書を所有しているマウロ先生の2人が、翻弄して、この地で最初の講習会が実現したのでした。

参加人数は、いつものローマにおける講習会とは比較になりませんが、開催者側のこれまでの苦労に感謝した次第です。

イタリアの浪越指圧の普及の歴史は、かれこれ60年になります。

時代は、1964年の東京オリンピックにさかのぼります。ルービーパロンビーニ先生は、イタリアの馬術の選手団のトレーナーとして日本に来日しました。その時に、トレーナーとして来日しました。

来日以前から日本の手技療法の一つである指圧に興味を持っていて、この機会を利用して短い期間ではありましたが、浪越学園の門をたたき、指圧道の長い道のりの一歩を踏み出したとのことです。

浪越徳治郎先生は、勿論のこと、徳治郎先生のお弟子さんたちに直接浪越指圧を習い、その技術をイタリアに持ち帰りました。

そこから、浪越指圧普及のヨーロッパの歴史が、始まりました。浪越学園の協力のもとパロンビーニ先生による、浪越指圧のヨーロッパ普及が始まりました。

こんな歴史もありイタリアは、ヨーロッパで一番の指圧普及国です。彼らが、翻弄した背景には、歴代イタリアの首相に指圧の良さを認めさせて今でも施術しているという歴史もプラスしています。

オランダも同時期にビンクス先生が、浪越学園との接触を取り別ルートでの、浪越指圧の普及が始まりました。

このころ増永静人先生が、アメリカのニューヨークで、経絡指圧のセミナーを頻繁に行い、その時の通訳の日本人、大橋渉先生が、増永先生亡き後、ヨーロッパで禅指圧という名前で、売り出しヨーロッパに指圧ブームの花を咲かせたという物語があります。

初期のころは、禅指圧イコール増永静人先生として、大橋渉先生が、売り出しました。のちにOOHASHIATSUという名で、禅指圧とは別にブームを作ったのは、彼でした。

ヨーロッパは、どういう訳か禅指圧の卒業生が、沢山活躍しています。特にフランスでは、禅指圧の協会があり,フランスの健康産業にかなり入り込んでいて、禅指圧という名前がかなり浸透しています。

今現在、増永先生の息子さんが、ヨーロッパに来ては、講習会(医王会)を精力的に開催しています。

また呉竹の岡本先生が、何回かパリで、呉竹指圧の講習会を開催して頑張っているようです。
浪越学園で指圧を習い、フランスで、指圧をしている先生方がいます。フランスは、指圧の歴史が古く、日本文化に非常に興味のあるフランス人がいますが、自国語にプライドを持っていますので、フランス語を流ちょうに話すことが、最低条件のようで、この事に苦労している先生もいるようです。また、邦人をターゲットにビジネスをしている先生もいるようですが、長い目で見るとフランス人(地元の人)を最初からターゲットにした方が、長い目で見るとプラスのようです。
スペイン在西すでに40年いなりますが、ほとんどの患者さんが、地元の人これは絶対条件です。それとスペイン語ペラペラこれは、ヨーロッパで生きるなら常識です。

ヨーロッパ指圧浪越という団体を創設して、皆様のご協力のお陰で、何とかやってまいりましたが、時代の流れで治療が、肩凝りから、首凝り、フィズカルペインからメンタルペインに治療も確実に変化してきました。予防医学の到来が、確実に近づいているのを肌で感じます。

スマートフォン,コンピューターで侵された体は、確実に指圧を要求しています。もう一度流行りが来たら、確実に天使の後ろ髪を掴まなければなりません。

ただ私たちの時代は準備の時代であり、次世代の指圧師が、頑張ってくれることを祈ります。
武漢ウイリスの嵐が吹き荒れた、3年間の空白は、多数の廃業を強いられた学校、治療所を生み、ヨーロッパの指圧の新たな普及は、宿題として次世代の指圧師の使命として残されたままの状態になっているのが、ヨーロッパの現状です。

確かに、この機会に廃業といったベテランの指圧師が増えた事実は、真実です。

こんな状況の中での今回の講習会は、ヨーロッパの指圧師の先生方に励ましの一石を投じたと信じています。

参加者は、20名前後でしたが、ローマからポリドリ先生のグループ、シシリア島から、シシリア大学の体育学部助教授のミリアン先生(この先生は、16歳から26歳までイタリアの水泳連盟のオリンピック強化選手で、そのあとシシリア大学の体育学部に就職、その間、ローマのパロンビーニ先生の学校で指圧を習い、学部の生徒にケアーとして指圧を施術している浪越指圧の大ファンの先生です。

今年の10月に体育学部の主催で、指圧講習会の開催が決定しました。またツリンからマルコ先生が通訳として駆けつけてくれました。計22人の参加者でしたが、ほとんどが、以前指圧講習の受講者で、同窓会のような誠に楽しい講習会でした。

タイトル
頚椎症と腰痛症における指圧及び伸展法による治療。

講習会後の楽しみは、おいしい海産物料理と海岸での日光浴でした。顔がほころぶ楽しい講習会でした。

塾指圧プラクター塾長 小野田茂

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