２０１７年11月9日、10日メキシコの首都メキシコシティーで指圧セミナーが開催されました。

メキシコで生まれた日系２世の滝口ゆり子先生の音頭取りで指圧セミナーが２００８年開催されて、その時に招待されたのが一回目です。

そして２０１３年、やはり滝口ゆり子先生が企画した国際指圧シンポジウムに招待されてメキシコの地を踏んでいますので、今回は三回目のメキシコでの指圧セミナーの出席です。

今回の指圧セミナーの会場は、日墨協会の施設の中にある日本関係のイベントに常備使用される内装が、まったくもって日本形式のサロンでした。

ここ日墨協会は、メキシコに移民して大成功をおさめた日本人が、メキシコの移民の人たちが集まれる施設が欲しいという希望に答えて、メキシコシティー内のここの広大な土地を手に入れて建物まで建設して寄付したそうです。

その土地の広大な敷地内には、日本庭園、文化サロン、日本レストラン等があり、春は花見、秋には祭り、冬には餅つき大会、そして新年会と、日本の文化を広めるイベント等を毎年開催して日墨の友好関係を推進する施設として使用されているとのことでした。このサロンで指圧セミナーを開催していただき日本の文化を披露をする機会を与えていただことになり大変感謝した次第です。

滝口百合子先生は、メキシコシティーの一角の建物の３階に治療所を構え、６人のスタッフを使って指圧治療とフェーシャルマッサージを行っています。

実際治療所を訪問しましたが、なかなか活気を呈していてひっきりなしに患者さんが押しかけていました。

また週末は、浪越指圧の教室を開きメキシコでの浪越指圧の普及をしているとのことでした。実際、教育機関としてこちらの労働教育省に正式に登録されていますので、正式な指圧学校を経営といえます。この辺が、こちらで生まれた日系２世の強みで、コネの世界のメキシコを生き抜いているたくましさを感じました。

日墨協会のサロンを借りる、日本大使館の文化部の担当官を祝辞に呼ぶなど、ヤルーの言葉が所どころに思わず出てくるセミナーでした。

セミナーの参加者は、約５０人、メキシコ全土から、またアルゼンチン、キューバ、ペルーからもわざわざ生徒として何人か参加してくれました。実際メキシコ、そしてアルゼンチン、ブラジル、ペルーなどは、比較的指圧治療が知れ渡っていて、よい指圧の先生がいれば、どんどん指圧の市場が広がっていくのですが、いかんせん南米は、指圧を正しく教える先生が皆無です。

１０年以上、毎日毎日の地味な現地人の施術をすることで、その国の人種の体形に合った施術を作っていかなければなりません。日本人の体に合った指圧法があり、その国独自の人種の体に合った指圧法があります。その確立に１０年はかかります。２万回の施術を消化した後にやっと人様に教えることができる、これが私の哲学です。

このくらいの覚悟がなければ、外国では指圧は教えることはできません。

チンピラたちがヨーロッパで指圧を飯の糧として教えたばっかしに、禅指圧(増永先生)とは名ばかりの似非指圧が氾濫してしまったのがヨーロッパの実情です。

２日間の指圧セミナーのテーマは、体のバランス(大腰筋)を考慮した腰部及び骨盤付近の指圧法でした。

特に頚部の治療は、スマートフォン症候群の症例を、頚部と腰部の関連(反射ゾーン)をパワーポイントで見せながら説明しました。実技を中心に２日間の指圧セミナーの日程があっという間に終了しました。

メキシコの後がパナマ、そしてエクアドールとセミナーは続きます。来年の開催出席を確認してメキシコセミナーが終わりました。

またうれしいことにメキシコにおいて滝口ゆり子先生がヨーロッパ指圧浪越の立ち上げに賛同してくれました。メキシコという中米の国にパナマ、グアテマラに次いで、浪越指圧ヨーロッパの旗がひらめくことになりました。

ヨーロッパ指圧浪越代表　小野田茂