連載
骨格系支持と筋肉系支持の相違点
2015/10/24 金子孝夫(39期)
用語を創る必要性
ここで使用される用語で「骨格系支持」と「筋肉系支持」については、私が創った言葉です。その理由は、合理的身体操作という考え方が従来にないため、その状況を適切に表現する用語がなかったことにあります。今後も、新しい用語が多く出てきますが、徐々に解説してゆくつもりです。
骨格系支持(プライマリーセットに基づく身体の使い方)
- 姿勢維持は骨格と姿勢制御のローカル筋群により行われます。ローカル筋群は持久力と細かな調整が可能です。
- 姿勢維持をローカル筋群で行っているため、表層のグローバル筋群は緊張しません。これが「身体の力が抜けた状態」と表現されているものです。
- 身体操作により生ずる力は総て骨格で受け、姿勢維持は姿勢制御のローカル筋群で行うため、グローバル筋群は最も有効に作用できます。手技操作時に作用も反作用も肩甲骨には働かず、鎖骨を経由して全身骨格で受けることになります。
- 手技操作時に指は指の骨格で支えられ、余分な筋肉の緊張がないため指の力抜け、指は感覚を維持したまま体重をかけることができます。
筋肉系支持(一般的な身体の使い方)
- 姿勢維持は骨格と主にグローバル筋群により行われます。グローバル筋群は疲れやすく、細かな調整も困難です。
- 姿勢維持をグローバル筋群で行っているため、表層のグローバル筋群は緊張しています。これが「身体に力が入った状態」と表現されているものです。
- 身体操作により生ずる力は骨格とグローバル筋群が受け、さらに姿勢維持にもグローバル筋群が使われるため、姿勢維持が難しく不安定となります。このため、グローバル筋群は充分な効果を発揮できないことになります。手技操作時に作用も反作用も肩甲骨で受けることになるので、肩甲骨に停止するグローバル筋群の負荷は増大し身体にさらに力が入ってしまいます。
- 手技操作時には肩甲骨関連の筋肉の負荷が増大し、更に緊張するので、指にも力が入り感覚は鈍化します。