連載
ベルギー浪越指圧大会レポート
2015年5月2日(土曜日)5月3日(日曜日)ベルギーの首都ブリュセルで第一回ベルギー浪越指圧セミナーが開催されました。
参加者は約70人でその内訳は、イタリアグループが10人、フランスグループが6人、オランダから2人、ポルトガルから2人、スペインから3人でした。
残りの参加者はベルギー人でしたが、スタッフを合わせると約100人ほどの指圧師がヨーロッパの各国から集まり中規模な大会ではありましたが指圧の奥の深さを改めて感じさせた大会になりました。
ベルギーはフランス語を公用語としている地域、オランダ語を公用語としている地域があり通訳もオランダ語、フランス語、英語、スペイン語とEUの本部がある国だけあって,まことにもって国際色豊かな大会になりました。
日本から日本指圧専門学校の指圧実技指導のベテランの先生お二人(小林秋朝先生、渡辺和雄先生)が招待されました。
2日間の講義内容は一日目の午前が渡辺先生の腰痛治療、午後はスペインから招待されたヨーロッパ指圧浪越代表の小野田が肩、首の疼痛治療、そして2日目の講義として小林先生のひざの治療が用意されました。
全員の参加者がベーシックの指圧をマスターしての参加であれば講義がスムーズに行くのですが、浪越指圧をベースに習った参加者、禅指圧をベースに習った参加者、または他のスタイルの指圧を習った参加者とてんでんばらばらでしたので、最初に浪越指圧の基本をウオーミングアップとしてペアを組み、一時間ほど練習してからスタートしました。
日本指圧専門学校から招聘された先生方は、医学的根拠に基づいて講義をします。ところが参加者の中には指圧イコール気の流れの治療と解釈して、解剖学、病理学を一切習っていないグループがいたので、改めてレベルの違い、そして指圧の奥行きの深さに驚かされました。
今回は、渡辺先生の腰痛治療、小林先生のひざの治療、そして小野田の肩、首の疼痛治療ということで3人ともフィジカルペインの治療でした。この3人の講義は主催者側の要望テーマでした。ベルギーの滞在期間中、雨が降ったりやんだりのお天気が続きました。この天気はいつものことで、緑が多い分平均降水量も多いということで、ひざ痛、腰痛は湿気の問題も加味しても国民病の一つとして挙げられるとのことでした。そのほかリウマチ、また天候がこんなですのでうつ病も多いとのことでした。
また主催者の一人クーパー先生は、元ベルギー指圧連合の会長で今は相談役として活躍していますが、EUの厚生部門と接触を取りEU 各国の厚生省がEU レベルで指圧を物理療法師および看護師同様の資格を認めさせるために今でもEUのお役人とコンタクトを取り苦労しているとのことでした。
今回はたった2日間のブリュッセルでのベルギー浪越指圧大会でしたが、EU各国は少しづつではありますが経済的な面で復興が見られることから、指圧の認識および指圧治療としてのニーズもあがっております。今までは、指圧師としての外国人の労働(労働許可証および滞在許可証の取得)は難しいの一言ででしたが、経済的に復興すれば海外で働きたいと思っている日本の指圧師に門戸が開放されることも可能な状態になる時期も近いかなと思っています。
今回も2年間の準備期間を経てベルギー大会が開催されました。継続はまさに力です。 つい最近ルーマニアで浪越指圧大会を開催しました。パレスチナの指圧インストラクターも現れ活躍しています。これからもヨーロッパに浪越指圧の輪を広げていきたいと思っています。
浪越指圧ヨーロッパ協会
代表 小野田 茂