イベント報告連載
ヨーロッパ指圧浪越スペイン大会2015 レポート
ヨーロッパ浪越指圧協会が主催するヨーロッパ浪越指圧インストラクターの更新および新ヨーロッパ浪越指圧インストラクターになるための試験がスペインの首都マドリッドで開催されました。
毎年2月にヨーロッパのインストラクターのためのセミナーがマドリッドにて開催されます。今回は3年に一度の更新年度と重なり約100人のメンバーが集まり、浪越基本指圧の反復練習及び、疑問点を掘り起こして講義をするなど、各国のベテランのメンバーが先生となりレクチャーしました。
土曜日(8時間)、日曜日(6時間)と目いっぱいの時間を活用して大会を進行させました。教えることと治療は完全に異なります。しかし全員のメンバーは、治療をして食べている指圧師ですので治療を通じて患者さんから教わったことを確実に生かして生徒さんに基本指圧を教えています。
このような状況がヨーロッパの指圧界の現実でありますので指圧の普及速度は確かに亀さんの歩みですが確実性と説得力を第一に考えての指圧教育をモットーに推し進めておりますので、徐々にではありますがヨーロッパにおける浪越指圧の普及地図は拡大しております。
この協会は、浪越徳治郎先生が創始した指圧療法をヨーロッパの各国において指圧治療、および浪越指圧を学校という正式な教育機関を通じて普及することを目的として立ち上げられました。発足して15年の歳月が流れました。会員のメンバーは、イタリア、ドイツ、オランダ、スイス、フランス、ベルギー、ルーマニア、パレスチナ、そしてスペインと毎年広がりを見せております。
インストラクターは2015年現在約120名が登録しています。最近では、ルーマニア、パレスチナなど指圧のイメージが結びつかない国々の手技療法士が指圧に興味を示しスペインのヨーロッパ浪越指圧協会本部とのコンタクトを取るようになり、浪越指圧の普及は加速度を増しています。
13年程前から毎年お忙しい中を日本指圧専門学校の理事長(浪越和民先生)をはじめとして指圧実技のベテランの先生方がヨーロッパの指圧大会があるたびに御足労していただき指圧実技の的確で心底丁寧な講習を指圧に従事しているヨーロッパの生徒および先生方にしていただいたことが今実りつつあると実感しております。
病気、すなわち気の病を手当てする、この単純な療法が、細分化された西洋医学の行き詰まりを打開することができる救世主と認識しつつあります。近代文明の世の中において病気は,よりいっそう複雑に入り組んだ迷路になりつつあります。そこに西洋医学の補助としてまたはパートナーとして指圧がヨーロッパで脚光を浴びつつあります。
近年第3の医学、予防医学の幕開けと騒がれて久しくなりましたが、今改めて指圧が現代社会の救世主になることを実感し始めたヨーロッパの実情がここにあります。
浪越指圧ヨーロッパ協会
代表 小野田 茂