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浪越徳治郎先生の指圧(16)

2010/12/14 22期 平島利文 4期 石原博司先生監修

「徳治郎先生の指圧」について、先生の施術法を具体的に概説していきたいと考えます。しかし、独自な手技である「徳治郎先生の指圧」に対する認識が曖昧なままでは先へ進めません。そのため、他の手技との区別を容易にするため、「徳治郎先生の指圧」の必須と非必須、身体操作の分類および手指操作等を抜粋し述べていきます。なお、私がご指導いただいた当時すでに先生の施術法は、書体に例えるならば草書のような存在でした。以下は、私が理論化の過程で楷書化したものです。ここでいう非必須とは不可欠ではないが肝要な事柄です。

「徳治郎先生の指圧」では、施術者が自身を支える自支操作は必須です。移動動作(圧点を移動するための動作)と加圧動作(加圧・持続・減圧の動作)の分離は非必須です。圧方向の無変化は必須で、“垂直圧の原則”は非必須となります。手指操作の把握動作や母指対立操作は必須で、完全母指対立の獲得は非必須となります。四指の操作で母指を支えますが、この時、把握動作と手根関節の締め操作は必須です。支点や力点を定めない操作は非必須ですが、反作用加圧操作は必須となります。

「徳治郎先生の指圧」での身体操作は、自支・移動・加圧等に応じた、それぞれの下肢操作、上肢操作、体幹操作、頭部操作および手指操作等に分類できます。なお、下肢操作は足趾操作・足関節操作・膝関節操作・股関節操作に分類し、上肢操作は肩関節の締め操作・肘関節の締め操作・手根関節の締め操作に分類し、手指操作は母指操作・四指操作等に分類し、四指操作は、さらに、中指・小指・示指・薬指操作に分類することができます。

「徳治郎先生の指圧」は手指で押す手技ですが、加圧を手指操作や体重移動による直接圧(作用圧)で行うことはありません。「徳治郎先生の指圧」による母指圧において手指操作が担う役割は、母指指紋部を母指操作により加圧点に密着させ、それぞれの四指操作により安定させ、手根関節の締め操作により固定させることです。そのため、母指操作や四指操作で加圧操作を行うことはなく、指型の個人差により圧質に差異が生じることもありません。また、加圧動作は支点や力点を定めないことを非必須としています。そのため、指型で悩む必要もなく、指作りの訓練によって手指を痛めることも筋トレ等によって特定な筋に特別な筋力を養う必要もありません。

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