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指圧理論についての一考察(3) 

2010/6/28 鈴木 林三(8期)

横臥位,肩甲下部の圧し方

1. の腰の動き始め(右大腿部が左母指に近づく動き、わかりにくければ,上体が左母指に近づく動き)に左母指を沈め、そのまま腰の動きで垂直圧となる。4. で右大腿部がほぼ垂直で止まる。同じ肩甲下部でも横臥位と伏臥位では垂直圧といえども圧の入る方向が違う。圧し方の姿勢に注目、横臥位だからと体を傾けて構えないこと。手の置き方が違う。横臥位では脊柱の右側を、伏臥位では脊柱の左側を圧すことに注目。右母指は重ねるのが基本ではなく、右肩に力が入るようならそろえる程度で重ねない方がよい。(そのほうが素直に圧が入る)

『写真の説明:左上1.右上2.左下3.右下4.』01

腹部の圧し方(掌圧)

1. の構え、左手は軽く横につく。腰の動き始めで(上体が手掌に近づく動き)手掌を沈める。後は2. 3. 4.と腰の動きで垂直圧が入っていく。垂直に押そうと思わない事。それでは力押しとなってしまう。特に腹部では圧加減を慎重にすること。

『写真の説明:左上1.右上2.左下3.右下4.』02

これまで基本指圧について、伏臥位の肩甲下部の圧し方で、各部位での圧し方を説明してきた。全ての部位で同じように圧せる。そして基本指圧全てが垂直圧になる。ということは、伏臥位の肩甲下部の圧し方が基本指圧の中での基本であるということの証明でもある。

これまで垂直圧の定義がはっきりしていなかった。それは垂直と垂直圧との区別がついていなかった、又、混同されていた。垂直とは物理学の用語で重力の方向を指す。(地球の中心にむかう方向)これについての解釈は替えられない。垂直圧は垂直な圧と解釈すると限定されたものとなってしまう。そこで指圧用語として新たに定義付けをすれば、もっと広範囲な統一された解釈ができるようになる。

伏臥位の肩甲下部の圧し方で垂直な圧が入る。これを言い換えれば『垂直圧とは、指圧点を通じ、その部位の中心に向かっての真っすぐな圧をいう』となる。これで各指圧点での垂直圧が統一される。

これまでの写真を見てわかるように、圧し方の姿勢で腰の動きはごくわずかである。そしてぶれない動きである。正しい構えが出来れば、このように少しの動きで圧が入る。効率の良い圧し方である。

伏臥位、肩甲下部の圧し方で少し説明を加えれば、1. の構えが出来て、腰の動き始めに(右大腿部が右母指に向かっての動き)さりげなく右母指を沈める。そのまま腰の動きを止めないで更に動くことによって圧が入っていく。指、腕の力はいらない。力が抜ければ抜けるほど、圧は深く入っていく。すなわち、力が抜けた姿勢でしっかり圧が入る。そういう圧し方が最良である。これは理論がわかったからといってできるものではない。力が抜けて圧せる師について修練することが肝要である。

平成22年4月8日(指圧の日)

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