連載
イタリア バリの指圧講習会
イタリアの南に位置するバリ(bari)での指圧の講習会に招待されて11月11日、12日の2日間35名のイタリアの生徒の皆様にマドリッド在住、日本指圧専門学校25期卒業の小野田茂がバックフォワード姿勢の現代人に対する指圧治療を講義しました。
この地をネットで拾うとイタリア プーリア州の州都であり、イタリア南部で屈指の重要な都市であるバーリ。海沿いの魅力と歴史的な雰囲気を兼ね備えています。
地中海を代表するクルーズ寄港地であり、大学都市としても有名なバーリの旧市街では、教会や絵のように美しい中庭があります。と表示されていました。
ともするとインドネシアのバリ島を連想しますが、縁が運んでくれたのか、初めての訪問を満悦しました。
この地で、指圧を普及しているマスターは、KEIZEN SHIATUという名前の学校を長年にわたり治めている、ミッチェル(MICHELE GIANNUZZI)先生です。
彼は、2000年から指圧の修行を始めたそうです。ニューヨークの大橋渉先生が、ヨーロッパで指圧講習会を開催するたびに参加して、研磨をしたとのことです。
また増永静人(医王会)先生のお弟子さんが催す講習会に何回となく参加して禅指圧を習ったそうです。
イタリアは、ヨーロッパの国々の中では、最も、指圧の歴史が長く、古くから指圧普及が地道に行われた国の一つです。
私も イタリアには、何回となく指圧の講習会に行きましたが、歴代の首相が指圧ファンであるし、何代か前のローマ法王も指圧のファンであったので、そんなことも起因しているのかもしれません。
今回の講習会参加者は、大方指圧をすでに習った、あるいは、既にプロとして患者さんを治療している人もいましたので、指圧講習のほうは、スムーズに進行できました。
バックフォワードポスチャー
バックフォワードの姿勢による障害は、勿論長時間のデスクワークで使用するPC,そして日常もはや大半の現代人が、依存するスマートフォンの影響が、主になります。
面白いもので、昔からコカ・コーラは、健康的に見て悪評にもかかわらず、生き延びて世界の清涼飲料として押しも押されぬ地位を確保し続けています。
大塚製薬ポカリスエット然り、飲み過ぎで、糖尿病予備軍が、ウジャウジャの日本であるにもかかわらずいまだ健在です。
また肉を食べよう、特にお年寄りは、動物たんぱく質を摂取しようと、輸入肉を盛んに推進しています。
もともと農耕民族の遺伝子を持つ大和人は、もっぱら菜食に依存して生きてきました。そりゃ獣肉を余分に摂れば、直腸癌、結腸癌、前立腺癌の患者が増えるのは、当たり前のことです。
しかし、私が幼い頃あった芯のある情報は、テレビやラジオでは現在は、決して流れません。なぜならば、お偉いスポンサーが、牛耳る世界がここにあるからです。そんな世代に育ったのが、今70歳前後の猛烈世代の人達です。
そして極め付き、コンピューター、スマートフォンとくれば、電磁波が与える体への影響、長時間使用することによる物理的症状、そして精神をむしばまれた、人の自殺の増加等、まったくもって、闇に浮かぶ事実が、現代人にのしかかってきています。
こんな時、こんな時代に西洋医学の本場に住む私は、この地の医療関係の人達が、細分化された現代医療の限界を知り、悩み始めていることを肌で感じています。
そこに現れたのが原始療法、手当て療法の指圧です。器具を一切使わずに手指、掌で、硬結を見つけて、停滞部分に圧による刺激を与えて、血流をよくするという、まったくもって単純な手当て療法が、ヨーロッパで脚光を浴びています。40年間の指圧普及で、現代ほど手ごたえを感じる時期はありません。
しかしそこには、姿勢学や人間のスムーズな動きを司る関節と関節の連結の連動学をベースとした基礎医学があります。気の世界だけでは、ヨーロッパ人は納得しません。
この体の無理のない自然な体の動きをマスターしてこそ、指圧治療が、成り立ちます。
この辺をまとめて体系つけ、どこの部分の筋肉が弛緩すると、どの反射する筋肉が、緊張して伸展するのか等をまとめた、アスパの理論があります。
今回はこの型の初級を、伝授しました。
2日間の短い講習ではありましたが、ぜひまた講習会を開いてほしいという要望が、参加者の中にありましたので、2月にまたこの地を訪れることが決定しました。
簡単ではありますが、今回は、バリ講習会を開催したことの報告をリポートしました。
追記
バックフォワードの関節の連動による虚実の模型と4つの重要筋肉のイラストを記しておきます。
塾SHIATSUPRACTOR
塾長 小野田茂