近況報告
教員養成科の卒業
62期、佐藤光祈と申します。私は卒業後、東京医療専門学校教員養成科(以下略:呉竹)に進学しました。この度、3月16日をもって卒業することになりました。
私は教員養成科在籍時に、会員レポートを4~5回書きましたが、改めて教員養成科の学生生活についての所感を述べて参ります。
私が養成科に進学するきっかけは2020年3月のこといです。ある先生が運営する鍼灸マッサージ治療院を訪問して、諸々のお話を伺い、鍼灸治療を受けました。
その時、先生から言われたのは「鍼灸マッサージ業界の質を向上するには、まず、教育機関である教員の質を上げる必要がある。良い先生が育たなければ、生徒はついてこない」という言葉です。私はこの発言が強い印象となって残りました。その後、新型コロナウイルスの感染防止措置で休校が5月末日まで続き、外部の方をお招きしての臨床実習はできませんでした。このまま卒業しても、臨床で働いていけるのか、一抹の不安がありました。考えた末、養成科で修練を積もうと思い、進学致しました。
養成科に入学して良かったことは、2つに絞ってお話します。
1つ目は、自分の知見が広がったことです。我々の学年ではあん摩マッサージ指圧師「だけ」を保有しているのは自分のみ、残りは鍼灸師もしくは鍼灸マッサージ師の人です。浪越出身も私以外にはおりませんでした。自分一人鍼灸を持っていないので、疎外感を強く感じましたが、実技の練習や時間のある時にクラスメイトと話すことで、出身校の脅威K臑はどのように行われていたのか、養成科に進学したきっかけ等を知ることができました。中には開業を目指して進学した人、既に開業している人もいるので、その方々から接客についてのノウハウをお伝えいただけたり、開業を目指すにはどんな準備をすべきかの意見を拝聴しました。自分とは異なる方の学校教育・経歴・進路志望等を聞くことで、治療家として何を目指しているのか知ることができ、自分も至らぬ箇所があればどう補っていくべきか、内省する機会が得られました。浪越指圧を3年修練したといっても、それは養成校時代での話。卒業後の指圧師として働く時間が圧倒的に長いので、増上慢に陥ることなく指圧師としての修練を重ねていきたいと思いました。
2つ目は模擬従業についてです。「30分の教員体験」の投稿でも述べましたが、2年次の中期から一人ずつ、指定された科目をクラスメイトの前で「授業」する、という授業があります。
私の場合は衛生学の担当となりました。浪越に限らず、生徒・学生時代は授業を「聴取・受ける」と受動的な立場でした。今度は教員の立場として、授業を作りあげる必要があります。生徒が聞き、後々のテスト・国家試験にも活かせる為には、どのような授業を展開するべきか、苦心しました。こ一つの科目を指定されたカリキュラム内でこなしていく教員の皆様の労力を、身をもって僅かではありますが痛感致しました。
授業作りは大変でしたが、配布資料をどのように作成するべきか、どのように喋るべきか、準備過程で考えるのは愉しく思いました。他の「先生役」の模擬授業も拝見して、発表方法・じっbにの段取りについて学ぶことが多く、自分も教職に就いた場合、是非参考にしたいとつと強く思いました。
2年間という短い修業期間でしたが、指圧師としての見識を深めていき、自身の人間性を研鑚する場ともなりました。このレポートを読んで、教員養成科に興味が湧いた方は一度、学校見学などで情報を集めて、もし意欲があれば入学することをお勧め致します。
4月から新年度が始まります。新たな出会い、取り組みがあると思いますが、皆様が指圧師としてご活躍できるよう、微力ながらも応援致します。
2023年3月14日作成