近況報告
「便秘改善の腹部マッサージの実践」を発表して
令和4年1月23日㈰に、私が所属する予防鍼灸研究会の第8回定例会にて、オンラインzoomを使って腹部指圧の発表をしました。予防鍼灸研究会は、西洋医学と東洋医学の架け橋を目的に、そして東洋医学の養生を基礎にした研究会です。鍼灸師や指圧師をはじめとした手技療法者のみならず、医療従事者に向けた研究内容を毎回、発表しております。
私は、標題にある「便秘改善の腹部マッサージの実践」について、今回は講師を務めました。最初に井澤正先生著書の『経絡・経穴と指圧療法』の中から便秘症に対する指圧療法を引用して、便秘の種類について述べました。便秘症は、大きく分けて、弛緩性便秘と痙攣性便秘に分類されます。私たち指圧師が向き合うことが多いのは常習性便秘と呼ばれるもので、この二者が混合した症状もあります。こうした便秘は指圧の適応症です。『経絡・経穴と指圧療法』には、腹部指圧は勿論のこと、腰部、仙骨部、下肢などを丁寧に指圧することと記載されております。基本は全身指圧が大切です。
後半は、腹部の自己指圧を実技披露しました。9点指圧と20点指圧を呼吸方法も交えながら発表しました。そして、最後に24期の金子武良先生をモデルにして、62期の清水俊一先生に動画の撮影をお願いしながら、腹部指圧の実践を披露しました。
今回は、医師、鍼灸師も多く参加なさっておられるため、浪越指圧を知らない参加者も多く、大変な反響がありました。顧問の湯浅龍彦医師からは「腹部指圧を是非受けてみたい」との感想も頂き、改めて腹部指圧の重要性を痛感した1日となりました。今後は、参加者の数名の方から腹部指圧の指導を受けてみたいとの希望も出ているので、個別にオンラインなどを使ってお伝えすることを計画しています。腹部指圧のみならず、浪越指圧の普及と発展に尽力したいと思います。コロナ禍で、私たち指圧師が出来ることの可能性と実践することにより得られる理解と認知の重要性を学びました。これを糧に、地域医療にも積極的に働きかけて参ります。
49期 中盛祐貴子
感想
先般久しぶりに機会に恵まれて腹部指圧を拝見できました。ありがとうございました。二分脊椎症の幼児に腹部指圧を行い自己排便が可能することに成功した先輩が、施術方法を母親に教え母が子供に施すことで可能にし、医師が受けるような賞を頂かれたという石塚寛前校長先生のおはなしを思い出しました。
52期 岩井満
便秘の症状は、私の患者さんの多くが悩んでいるものであるが、それを指圧で良くしてほしいと言われることは存外少ない。
おそらく、多くの患者さんは便秘は薬で治すものという考えが主流の様に思われるが、薬が体に合わないというケースもかなりある様に見受けられる。
そういった患者さんのお悩みを聞いた上で腹部指圧というものがあると説明すると、是非やってくれと言われ、その後の施術は毎回もしくは定期的に腹部指圧をしてほしいと言われる事が多い。
今回の研究会の中盛先生の手技を拝見して、浪越腹部指圧について再発見があり、見識が深まった様に思います。このたびは貴重な研修をありがとうございました。
60期 大多和勇人