連載
ローマ指圧講習会(赤ちゃんの指圧)
ローマ指圧講習会(赤ちゃんの指圧)
5月4日、5月5日の2日間、日本は10連休の最終ラウンドというあたりでしょうか。
4月のイタリアのトリノ指圧講習会に引き続き、今回はローマに行ってきました。
ローマは、もう何回となく行きましたが、今回は、赤ちゃんの指圧をテーマにしたセミナーで、準備期間を充分に頂き万全を期した講習会でしたが、久しぶりに緊張を強いられました。
参加者は、50人で、ほとんどが浪越指圧をマスターしているまたは、指圧学校の学生及び実際に施術で生計を立てている治療師でした。
イタリアは、指圧の歴史が、64年の東京オリンピックあたりですので、何やかやで50年の歴史があります。実際に税務署に登録されている指圧の施術者数は、万単位の指圧王国です。当然実力のほうも侮れません。セミナーの準備期間に十分な時間を費やしたのには、こんな理由があるのでした。
赤ちゃんの指圧は、大人の指圧に比べて虚(慢性)の症状がなく、実部(急性)の指圧だけですので、施術部分の順番を考慮することなく簡単だと、講義をしましたが、この世に生を受けて間もない生命体です。反応が、笑うか泣くかのどちらかの原始本能だけで、意思を表す動物です。言い換えると嫌い好きで判断します。即座に施術者の技量を勘で判断します。一瞬でも施術に、ためらいと自信の無さを表すともうそれだけで信頼関係のバランスが崩れて施術拒否を受けます。
この辺の難しさを経験上、理解していますので今回は8か月の赤ちゃんと8歳の子供をモデルとして用意すると主催者側に、事前に言われていましたので、その2人のモデルと相性が合いデモがうまくいくことを祈り続けたセミナーでした。
幸い2人のお子さんのモデルが、セミナー参加者のお子様で、指圧を定期的にお母さんから受けているということで、指圧の魅力を充分に知っているモデルさんということで、安心をもってセミナーのメーンであるデモを披露することがで来ました。
実際指圧のファンは、奥方のほうが多く、月経前後の腹部、腰部の痛み、妊娠中の諸症状、出産後の骨盤調整、生まれた子供さんのケアー、そして閉経期の諸症状など、ご婦人に対する指圧は、無限の市場があります。この辺を、テーマにしたセミナーが求められるのは、当然と言えるわけです。
今回は、私、そして主催者側のベテランのアルベルト先生もパネラーとして側弯症の治療を披露してくれました。
側弯症の治療は、実際アルベルト先生のお弟子さんたちが、ローマの国立病院で、定期的に側弯症の患者さんを奉仕で指圧治療を10年近く続けている関係で、2人の病院のドクターが、セミナーに参加していただき、アルベルト先生のレクチャーの合間合間にレクチャーをしていただきました。
今回は、赤ちゃんの治療と側弯症の治療の2本立てでのセミナーとなりました。
指圧の嵐は、ますますヨーロッパに上陸して暴れだす兆候を感じた5月のローマセミナーでした。
ヨーロッパ指圧浪越代表
小野田茂