連載
ルーマニア指圧講習会
ルーマニア指圧講習会
7月23日(土曜日)、24日(日曜日)の2日間、ルーマニアの首都ブカレストから約200㎞程離れたGALATI(ガラティ)という町で、ルーマニア指圧協会がセミナーを企画、開催するということを1年前から本部のマドリッドにメールが届いていました。20人を最低ラインにして定員数を確保したら開催ということでウエイティング状態でしたが8か月後やっと目途がついたというメールが届きました。
こちらとしては、たとえ少人数の参加者でも東欧の指圧普及の一環として手弁当覚悟で行くつもりでいました。
東欧は、まだまだ貧しい国が多く、ルーマニアも貧乏国のひとつで、首都ブカレストの公務員さんの平均収入は、6万円位だそうです。実際この開催都市に到着して開催場所のホテルに到着、やじうま根性で、ホテルの受付の人と、たまたま話す機会がありました。ふと個人的なことを聞いてしまいました。平均月収が月曜から金曜まで朝の9時から夜の9時まで働いて、35000円位と話してくれました。正直驚いた次第ですが、その国の物価が安ければ、そんなもんなのかもしれませんが、スーパーマーケットに行くと日常必需品を見るとあまりスペインと値段が変わらない印象を受けました。
スペインにも出稼ぎのルーマニア人が多く特にサービス業は至る所に、彼らがはびこっています。働き者ですので、せっせと貯めては、実家に仕送りしているんだと思います。
そんな土地柄で、指圧が生き残れるのかというと、一握りとは言え,ハイソサエティーの人たちもいますし、自然食品、自然療法に興味を持った人たちもいますので、まだまだ需要は小さい市場ですが、未来のあるマーケットであることは確かなようです。
今年で、ルーマニア指圧協会が発足して4年目になります。そんなこともありこのセミナーは、ぜひぜひ主催者側は、実現したかったみたいで、なかなかの意気込みを感じました。会場は、ホテルのイベントサロンを借り切って2日間行われました。ホテルは、ドナウ川に面していて運搬船やモーターボート等が始終行き来し、なかなか飽きの来ない風景を醸し出していました。
参加者は、東欧の名前の聞きなれない国の人だったり、半分以上の参加者は、ルーマニア以外の人たちでした。東欧の国々にも指圧の波が押し寄せていることを感じざるを得ないセミナーでした。
どこの国でも、携帯電話(スマートフォン)、パーソナルコンピューターが普及して、スマートフォン症候群、半健康症候群、メタボ症候群及び予備軍がはびこっています。薬漬けの西洋医学の限界を世界中の人が、感じています。こんな時、一瞬に世界の情勢がITの目覚ましい発展により、キャッチできるようになった現在、世界が求めるものを同時進行で行われることが可能になりました。日本の指圧が、今の世界の状況にマッチすれば、世界同時進行で指圧が流行っても何らおかしいということはありません。今回の2日間の講習のテーマは、四首の治療でした。四首とは、首の頚部、手首、足首、そして腰(昔の若い頃は、みんなくびれていました。)の体のパーツで気の最も渋滞しやすいゾーンを診断して治療をするかというテーマで講義を進めてみました。
頭寒足熱、肝腎要、体の4首と3カーブという昔からある葛根湯の効力に匹敵するようなごくごく原始的テーマを引っ提げて指圧を浸透させることに力を注いでいます。複雑になった世の中だからこそ、体は原始的な手当て(手義療法)を求めるという理論をもってヨーロッパでの指圧普及に取っかかっているということです。ヨーロッパ指圧浪越もスタートして一昔をとっくに過去のものにしました。
第2次ヨーロッパの指圧ブームを仕掛けてだいぶ月日が経ちましたが、確かに手ごたえ感じる機会が多くなりました。11月には、メキシコ、パナマ、エクアドールで指圧講習ツアーがあります。
とりあえず、今年度も終了ということで、ちょっとの間休憩させていただきます。
ヨーロッパ指圧浪越代表 小野田茂。