連載
パナマ指圧セミナー
2017年11月14日の早朝、メキシコでの指圧講習を終了して第2番目の指圧セミナー開催国パナマに行くためにメキシコシティの国際航空に向かいました。
コパ航空というパナマの航空会社の飛行機で3時間15分の旅を、ただただ寝ることに専念してパナマに到着です。
到着から外に出るまで約1時間半を要しました。開催者のパブロ先生によると麻薬の摘発も確かにありますが、隣国すなわちヴェネズエラの国民が、貧窮に屈してパナマやコロンビアに仕事を求めて入り込んでくるための規制に時間を割いているとのことでした。
実際、ヴェネズエラ人に聞いたところ、毎日毎日インフラの嵐で、マーケットで物を買うために沢山の価値の下がった紙幣をもっていかなければならないと語っていました。
そしてまだ仕事があればいい方なんでしょうが、公務員の一か月の給料が、千円、二千円の世界で、食うために犯罪が増えるといった悪循環が蔓延している国の国民の入国拒否のための長蛇の列が現実に起きています。
日本人には、ちょっと考えられない世界が南米なんだと最初から先制パンチを浴びせられたのでした。
ホテルまでのドライブは、マンハッタンの摩天楼よろしく高層ビルの隙間を通過しながら、さすがの言葉を連発しながらのドライブになりました。
ホテルは、トリップセントロパナマで、スペインのホテルのチェーンでした。会場もホテルの会議場を借り切っているということで、一安心。
こちらの開催実行委員のパブロ先生夫妻は、8年前にパナマにスペインのマドリッドから移住した指圧と鍼灸の先生です。
パブロ先生は、マドリッドの指圧学校のディレクターを長年していたベテランの指圧師です。その夫妻が、2人の子供を連れてパナマに移住、やっと指圧学校と治療も軌道に乗ってきたとのことで、それでは、記念にセミナーをということで実現した価値のある今回の指圧セミナーです。
水曜日という半端な日程にもかかわらず、40人の参加者がありました。
またこちらの一般的な単純労働者の日本円で平均月収は、5万円にも満たないとのことでした。ただ気候が温暖で、食べ物に贅沢をしなければ、生きられる所だそうです。そんなところで、指圧の需要があるんですかと単純な疑問がわいてきますが、アメリカ人の退職者、カナダ人(カナダが冬の時にパナマに来て生活する)といった比較的裕福層には寛大な政策を提供する国だそうです。
そんな人たちがパナマの郊外に移住区がありそこで優雅な年金生活を満悦しているようです。
確かにお金が動いているという事実があります。120家族の裕福層が、動かしている国とのことでした。そのほとんどがユダヤ人で、中国人も入り混じって金持ち層と貧乏層がはっきり区別された国なんだそうです。そんな訳で、それなりに指圧の需要があり、またそれなりの料金で指圧家業が成り立っているとのことでした。
翌日ホテルトリップセントロのサロンでセミナーが開催されました。平日にも関わらず40人近くの申し込みがありました。
パブロ先生のお弟子さんが、てきぱきと来場者の整理をして10時にスタートしました。10時から2時の4時間、3時から6時の3時間、計7時間。翌日も同じ日程ということで計14時間のセミナーのスタートです。
内容は、腰部を中心にした治療法で上虚下実の理論を織り交ぜて講義をしました。気候的に雨降りが多い影響か、関節痛が特に膝の疾患の治療法の質問が多い印象を受けました。
リウマチなどやはり関節の問題が多いみたいでした。海に周りを囲まれている国でありながら魚を食べる習慣が地元の人にはなく、主食は、タロイモに似たものが主食で肉は、鶏がポピュラーのようでした。
アメリカに近い影響か、メキシコ人もコカコーラをよく飲みますが、パナマ人も好きらしく、ファーストフードにコカ・コーラはこの国の人たちの常識のようでした。食養もこの国では必至の学問のようで地元民の肥満が目立ちました。
生徒さんの技の吸収は思った以上に早く、最後に流れ押しを教授して2日間のセミナーが無事終了しました。来年のセミナーの約束をして第3国目のエクアドールの指圧セミナーの準備のために夕食も早々にホテルに引き返しました。