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行事のご報告

令和元年度 日本指圧専門学校同窓会総会 講演「スポーツ現場における指圧師の業務の現状と選手がトレーナーに望む役割」

2019/11/14

「スポーツ現場における指圧師の業務の現状と選手がトレーナーに望む役割」

日本指圧専門学校 教務課長
金子泰隆

ただいまご紹介頂きました、日本指圧専門学校で専任教員をやっております金子泰隆と申します。

宜しくお願いします。

今回、「スポーツ現場における指圧師の業務の現状と選手がトレーナーに望む役割」と題しまして短い時間ではございますがお話しさせていただきます。

私自身が中学生時代に大会前にケガをし、出場が危ぶまれる中、日本指圧専門学校のOBの先生に治療して頂き、不完全ながらも試合に出ることができたことがきっかけで、スポーツトレーナーという仕事があることを知り、業界に入りました。

トレーナーとしての実績としましては、横河電機バレーボール部のトレーナーを5年(選手兼任)やらせて頂き、現在は日本大学陸上競技部専任トレーナーとして活動させていただいております。

ではここで、本日のゲストをご紹介いたします。

阿原選手と北口選手です。

阿原選手は昨年より日本指圧専門学校で保健体育の非常勤講師を務めていただいております。種目は砲丸投げで、北海道高校記録を現在も保持されており、日本選手権でも5度の入賞をされている選手です。

北口選手は、5月6日に行われました木南記念女子やり投げにおいて64m36㎝を投げ、見事日本新記録を樹立されました。また、今年行われる世界選手権、更には2020東京オリンピックの参加標準記録も突破し、今後の活躍が期待される選手です。

両選手、本日はお忙しい中ありがとうございます。宜しくお願いします。

では、本日の話の本題に入りたいと思います。

先程も申し上げました通り、中学時代にはスポーツトレーナーという存在を認識していたのですが、なり方がよくわからないんです。

当時、今ほどwebも発展していませんから、探しようがなかったのもありますね。でも、それが結果として良くて、自分が見てもらっていた先生の母校しか知らずに日本指圧専門学校に入ることになったんです。

そして業界に入ってからもスポーツトレーナーになりたいと思っていたのですが、なかなか微妙でして。

スポーツトレーナーの資格が曖昧なうえに民間資格やらがたくさんできる。

よくわからないから辞めた、みたいになりました。

そんな時にバレーボール選手時代の同期が声をかけてくれて横河電機バレーボール部でトレーナー(選手兼任)をゼロからスタートすることになりました。

で、今現在の状況を私なりにまとめてみましたので、ご覧いただければと思います。

現段階では、あん摩マッサージ指圧師はメディカルトレーナーという括りになるのではないかと思います。

主に治療院に来院してもらって治療やコンディショニングをやっている方が一般的なのではないかと思います。

遠征に帯同される場合でも、ベッドを広げて選手を待つみたいな感じが多いのかと。

実際、柔整師や鍼灸師もそのパターンが多いように見受けられます。

このような現状の中で選手たちがどのような事をトレーナーに求めているかということについて伺ってみたいと思います。

【 北口選手 】

地元の北海道では母がスポーツ選手だった為そのつながりで治療院に通い始めた。それだと試合の前に必ず仕上げなければいけなかった。東京に出てきて治療院に通いながら、また日本指圧専門学校の皆さんが試合にも来てくださっている。試合当日にはアップしてからでないと体調がわからないとことがあり、また動かしている途中で異変を感じたり、もっとこうして欲しいという事に現場で対応してもらえるので恵まれた環境にあると思う。

【 阿原選手 】

北海道→大阪→福井→東京と場所を転々としてきた。その場所その場所で自分に合った治療院を探すのにとても苦労した。継続的に自分の体を診てくれる人はとても大切だと思っている。いい腕だと評判の先生のところにかかったが今までの過程を知らないのでその時点での治療になってしまい自分に本当に合った治療なのか分からないことが多かった。4年前から日本指圧専門学校の方々に継続的に練習、また試合当日に相談しながらケアを受けるようになった。社会人になって結果が出ない時期があったが、指圧を受けるようになって日本選手権で入賞することができた。やはり腕がいいことも大事だが、親身になって悩みなどを受け止めてくれる信頼関係が構築できているのが心強いと感じている。

そんな現状の中、私は少し違った観点からトレーナー活動を行ってきました。

勿論、メディカルトレーナーとしての役割は重要ですので、当然のこととしてやるのですが、いかに選手が試合の時にピークを作れるかというところにこだわっています。

ですから、私が活動するのは、陸上でいくとサブトラック周辺ということになります。

では、4月末に行われた織田記念陸上を例に活動内容についてご紹介していきたいと思います。

私が一連の活動の中で大切にしていることは

1.前日の心身の状況を把握し、適宜調整を行う

2.各選手の当日の心身の状況を把握し、適宜調整を行う

3.アップ開始後の感覚を選手と逐一チェックする

4.コーチと一緒に選手の動きをチェックし、適宜調整を行う

この4点です。

競技前に体を触られることについてどう思っているか伺ってみたいと思います。

【 北口選手 】

施術を受けてもそのあとのアップで締めることができると思っているので抵抗はない。 

【 阿原選手 】

競技前に施術を受けると緩みすぎてしまいパフォーマンスで力が発揮できないので、体の事を理解してもらっている人でないと不安

コーチとトレーナーの間に考え方の差があるとき選手としてどう思っているか伺ってみたいと思います。

【 北口選手 】

選手の目標に向かって関わっている全員が同じ方向をむいていることが重要。個人競技ではあるが、コーチ、トレーナーが合わせて一つのチームとして存在してくれることが実際ピットに入って一人になった時に背中を押してくれる、そのような関係性が大事だと思っている。

【 阿原選手 】

北口選手が100点満点の解答をしてくれました(笑)

競技は一人で行うので、自分の目標に対して同じ目標を持って寄り添ってくれた人達の存在が心強い。

コーチ、トレーナーの考えの一致はとても大切だと思っている。

私は担当競技が未経験な場合、実際に動かし方を選手に教えてもらっている。このような取り組みについてどう思っているか伺ってみたいと思います。

【 北口選手 】

やり投げというとよく野球の投手と同じように考えられることが多いが、実際は投手の動きとは全く異なるし、体を壊してしまうので、やり投げの動き全てを理解できなくても理解しようとしてくれる心構えは必要ではないかと思っている。

【 阿原選手 】

競技を理解してくれているというのが一番重要だと思う。

例えば、砲丸投げは、砲丸を後に残しておかないと飛ばないのですが、「砲丸を後におきたいんです」という表現、この単語を理解してもらえる、自分の意図したことを汲み取って施術してもらえる。種目の理解がないと砲丸を一から説明しなくてはならず、また説明しても分かってもらえないことが多い。競技を理解してもらっていることでより安心して施術してもらえる。

試合終了後のケア等もやりますが、結果いかんでは選手も一人になりたい気待ちになったりもするでしょうし、次々に選手がやってくるのでそこは後日でも充分だと思っています。

この4点を実現するために最も重要なことは、日頃からコミュニケーション(練習での動きのチェック、心身の状況の把握、環境の把握など)だと思っています。

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