連載

プライマリーセットにおける理学療法的な解説

グローバル筋とローカル筋について

1-グローバル筋（グローバルマッスル）とは

1. 一般的に多関節筋です。
2. 身体の表層に多く分布し、身体に特定の動きを引き起こします。動作筋」とも呼ばれ、体表に近いところにあり、骨に大きな動力を与えるのに適したサイズの大きな筋です。
3. 全ての骨格筋には「筋紡錘（固有感覚受容器）」という、方向や速度、張力、位置などの情報を脳に伝えるセンサーがあります。これが少ないグローバル筋は、細かい調整をするには適さない、言わば大雑把な性質の筋と言えます。
4. 素早い動きは得意で、大きなエネルギーは出せるが維持はできません。
5. アウターマッスル（アウターユニット）とも呼称されています。

2-ローカル筋（ローカルマッスル）とは

1. 一般的に単関節筋です。
2. 全方向位に対して姿勢保持の張力を発揮します。
3. 固有受容器が豊富で脊柱の動きを脳に伝達します。これにより、脊柱の安定性、ひいては身体全体の安定性が向上します。 別名「姿勢筋」と呼ばれています。筋のサイズが小さく動力も小さいのですが、筋紡錘が多く存在し、姿勢の維持など絨細なコントロールに適した筋です。
4. 縮む速度は速くないが、長時間の収縮に耐えることができます。
5. インナーマッスル（インナーユニット）とも呼称されています。

※インナーユニットおよびアウターユニットとは理学療法分野での呼称であり、
インナーマッスルおよびアウターマッスルはスポーツ分野での呼称です。
学術的には、ローカル筋およびグローバル筋が一般的です。