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浪越徳治郎先生の指圧(25)

2011/2/22 22期 平島利文 4期 石原博司先生監修

浪越徳治郎先生は優れた技芸の持ち主で、その業は正に名人芸と呼ぶに相応しいものでした。しかし、ご自身は「指圧は科学的でなければならない」、即ち「誰が行っても同じ結果が得られるものでなければならない」と仰っておられました。近年では、施術効果を画像で確認することが容易となってきました。MRI画像もその例ですが、表面温度分布測定装置(サーモグラフィー)画像を用い、施術による温度変化を測定し、施術効果を画像で確認することもできます。

更年期障害に代表される自律神経失調症で、顔面のほてりを訴える患者は少なくありません。しかし、体内の総血液量l(約体重kg÷13)は、分布異常が診られてもその総量は一定です。そのため、顔面のほてりとは対照的に他部位に無自覚の冷えが診られることも稀ではありません。このような時、「徳治郎先生の指圧」では、身体各所の局所的な貧血・充血・うっ血を考慮し、愁訴部位ではなく原因部位(臨床経験的に腹部に多く診られる)を施術して、顔面の温度降下や冷えが診られる他部位の温度上昇を促し、血液分布異常を改善していきます。これらの再現性の確認を容易とするのもサーモグラフィー等の検査機器の進歩です。

“古医方の祖”と称された後藤艮山は、『墨字は死物なり人は生物なり、死物にて生物を御すること、これ不可なり』と説きました。しかし、浪越徳治郎先生は、「患者さんのお母さんが、あなたと同じ知識と技術を持つならばどうするか思い巡らしなさい」と指導されました。「徳治郎先生の指圧」では、いかに押すかで、生体が持つ恒常性の原動力である自然治癒力を発揮させ、自己防衛機能と自己再生機能を働かせていきます。「徳治郎先生の指圧」は、専門用語で押圧法と称します。押圧法の技術習得法については〔基本の基礎作り〕から順に参照してください。また、押圧法の科学性等については〔こちら〕に書き加えていく予定です。

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現在、「Shiatsu」は国際共通語となっています。「Namikoshi Shiatsu」を世界に広めた最大の功労者をご存知でしょうか。それは、世界共通の指圧の教科書である『完全図解指圧療法』の著者である浪越徹先生です。

02

浜松市在住でカルチャーセンターの講師を務めるブラジル人の方から、知人を介して、浪越徹先生の著書の写真を入手しました。彼らは「プロフェッショナルバイブル」と呼んで熟読しているとのことです。

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