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イベント報告

第1回マラガ国際指圧大会レポート

2009/1/6 小野田茂(25期)

2008年10月25・26日、スペイン南部の都市(アンダルシア州の州都、人口56万人、地中海に面しリゾート地コスタ・デル・ソルの中心、画家ピカソの出身地)マラガで、第一回マラガ国際指圧大会が日西指圧学院マラガ校校長マテオ・ガルシア先生とアルハンブラ宮殿で有名なグラナダにある同校グラナダ校校長アントニオ、シルビア両先生共同の主催にて開催されました。

スペイン・アンダルシア地方での大会は初めてということで、約2年間の準備期間を要したわけですが、その満を持して臨んだということが証明された内容の深い大会でした。”指圧”という言葉は、ヨーロッパでは市民権を得たとは言えないまでも、なんとなく東洋から来たマッサージの一種で、腰痛及び背骨に関する症状のある人には有効なテクニックであると言うことくらいはイメージできるようになってきたと思います。(少なくともイタリア、スペイン、オランダ、フランス諸国では) EC(ヨーロッパ共同体)の健康に関するセクションでは、自然療法として鍼灸、オステオパシー、指圧などを法制化させる動きが出ている現状も交えて、この大会は法制化に向けてアピールする絶好の機会でした。

大会にはマラガ市市長及び、コフェナット(COFENAT)という代替療法を法制化するために自然療法の各協会が集まり連合を組織している団体の代表も出席され、政治色も少々絡んだ大会となりました。

前日、ヨーロッパ各国の指圧インストラクターの更新試験と、新しくインストラクターになるための試験があり、イタリア、フランス、ポルトガル、スイスなどのインストラクターや学校の生徒達も集まっていたので、大会の方にもヨーロッパ諸国からの参加者が50人、スペイン国内の先生方及び生徒、治療師が200人と、場内は活気に満ち満ちたものでした。

日本からは、日本指圧専門学校で実技指導に当たっておられる先生方に3人も来ていただきました。(大ベテランの小林先生、11年目の神田先生、治療師主任の浪越雄二先生) イタリアからは、イタリア指圧学校校長であるロベルト・タベルナ先生、イタリア指圧協会会長パウラ先生、イタリア浪越指圧ボランタリー協会会長のポリドーリ先生、イタリア浪越指圧協会のチャペリ先生、ANVOS指圧協会のマウリシオ先生、フランスから、フランス指圧学校代表のガブリエル・エンゾ先生、オランダから、ヨーロピアン指圧アカデミー代表のエッサ先生、NSMBK代表のジョナス先生、オランダ指圧協会会長のジョルジュ先生、スイスから、スイス指圧専門学校校長のダリオ先生とアナ・マリア先生、ポルトガルから、ポルトガル指圧学校校長のロジェリオ先生、ポルトガル指圧協会会長のヴィエイラ先生、などなど、ヨーロッパの主だった指圧関係機関の有力メンバーがマラガに集合しました。

ヨーロッパ40年の指圧の歴史の中で、これまでのヨーロッパ化された指圧をどうのように本来の日本指圧にもう一度戻していくかということが今回のテーマでもありました。わかりやすく言えば、リラクゼーションの指圧ではなく、治療としての指圧の技術を拡げていくにはどうしたら良いかということです。良い指導者の絶対的な不足が、ヨーロッパの指圧を”我流”にしてしまった最大の原因でした。基礎力のない指導者が営利だけを目的とし、指圧ビジネスとして雨後たけのこのように氾濫したのが10年前のヨーロッパの現状でした。その後、毎年日本から先生をお招きし、ヨーロッパで指圧を披露していただいて、それを少しずつ広めていくことにより徐々に”我流”は自然淘汰されましたが、本来の日本の指圧がヨーロッパに根付き始めたと言えるのは全く最近のことです。本物の技術を広めると言うことは大変時間のかかることです。特に基礎に時間をかけるということが真の道であり、その真の基礎を教える先生方がヨーロッパの各国にもようやく出てきたので、あと10年もすればヨーロッパの指圧技術が日本と肩を並べるようになるのも夢ではないかと思います。

日本の若い指圧師や学生達が海を、大陸を渡ってこちらへ来られ、実際に指圧を受けたり、こちらの先生方と交流を持つ機会が今後もっと増えていくことを願ってやまない大会になりました。

今大会で発表された講義概要

  • 腰痛の診断と治療法 日本指圧専門学校/小林先生
  • 自己指圧 フリオ・オルティス先生
  • 座位指圧における有効な圧の入れ方 日本指圧専門学校/神田先生
  • 肩甲骨周辺の治療 アルベルト・ポリドーリ先生
  • ストレッチング アンヘル・チチャロ先生
  • 腹部指圧 日本指圧専門学校/浪越雄二先生
  • 肩関節前方変異の矯正 マテオ・ガルシア先生
  • 指圧師の姿勢 ロベルト・タベルナ先生

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